国民年金047 事実婚に基づく遺族年金②事実婚関係

(1)はじめに 前回の復習
①事実婚(内縁)とは
 婚姻の届出はないが、社会通念上、夫婦としての共同生活の実体がある関係をいいます。
 遺族年金は、相続と違い、夫婦を広く捉え、法律婚に加え、事実婚(内縁)にも適用されます。
 ただ、あくまで事実関係ですので、無制限に認めることはなく、
 要件を満たすことの証明が必要になります。
②事実婚と認められる要件
 A.事実婚関係があるか。
 B.生計維持関係があるか。

 
 A.事実婚関係を認定するための要件は、次の2つです。
  社会通念に基づいて判断します。
  ㋐夫婦としての共同生活と認められる事実関係を成立させる意思(「婚姻の意思」)
  ㋑夫婦としての共同生活と認められる事実関係の存在
(「夫婦の共同生活の実態」)

 B.生計維持関係を認定するための要件は、以下の2つです。
  ㋐生計同一要件
  ㋑収入要件 の両方を満たす必要があります。

今回は、事実婚関係についてです。

(2)事実婚関係の認定について
①夫婦としての共同生活と認められる事実関係を成立させる意思(「婚姻の意思」)
 以降、簡潔に「婚姻の意思」と書きます。
 「婚姻の意思」の証明は、夫婦の一方が死亡しているため、
 基本的に、証明は第三者がすることになります。
 
「第三者の証明書」を提出することがあります。

②夫婦としての共同生活と認められる事実関係の存在(「夫婦の共同生活の実態」)
 以降、簡潔に「夫婦の共同生活の実態」と書きます。
 住民票の記載を基準に、住所と世帯が同じか否かで4パターンに分かれます。
 いずれのパターンも、
 「事実婚関係および生計同一関係に関する申立書」により申立をします。


 ㋐住民票上、同じ住所で、世帯も同じのとき。
  「夫婦の共同生活の実態」が推定されます。
  ・住民票の写しのみで証明されます。
   ①の「第三者の証明書」も不要です。

 ㋑住民票上、住所は同じだが、世帯が別のとき。
  「夫婦の共同生活の実態」が推定されないので、証明する必要があります。
  以下の書面を提出して証明します。
  ・住民票の写し
  ・別世帯となっていることの理由書(※)
  ・第三者の証明書(※)、または、
   事実婚関係および生計同一関係を証明する書面((3)で後述)

 ㋒住民票上、住所も世帯も別だが、実態は同居しているとき。
  「夫婦の共同生活の実態」が推定されないので、証明する必要があります。
  以下の書面を提出して証明します。
  ・住民票の写し
  ・同居についての申立書(※)
  ・別世帯となっていることの理由書(※)
  ・第三者の証明書(※)
  ・事実婚関係および生計同一関係を証明する書面((3)で後述)

 ㋓住民票上、住所も世帯も別で、別居しているとき。
  「夫婦の共同生活の実態」が推定されないので、証明する必要があります。
  以下の書面を提出して証明します。
  ・住民票の写し
  ・やむを得ない事情により別居していることについての理由書(※)
   (単身赴任、就学、病気療養など)
  ・経済的理由および定期的な音信、訪問についての申立書(※)
  ・第三者の証明書(※)
  ・事実婚関係および生計同一関係を証明する書面((3)で後述)


  (※)の各証明は、
  先述「事実婚関係および生計同一関係に関する申立書」に記載する形で証明します。

(3)事実婚関係および生計同一関係を証明する書面
①健康保険の保険証(被保険者証)の写し
 被保険者と被扶養者の関係が判明。
②他の制度の遺族年金証書などの写し
 同じ当事者で、他の遺族年金を受けているとき。
③葬儀を主催したことを証明する書面
 喪主としての会葬御礼の写しなど。
④賃金台帳などの写し
 扶養手当の対象であることが判明。
⑤結婚式や披露宴などの実施を証明する書面
 最近行われたものであることが必要(1年以内)。
⑥公共料金や税金の領収書
 夫婦の一方が他方の分を負担していた事実が手掛かりになる。
⑦連名の宛名で届いた郵便物
 郵便局の消印等が必要です。
⑧生命保険の保険証書
 夫婦の一方が他方の分を負担していたこと、
 続柄欄に「妻(未届け)」などの記載が手掛かりになる。
⑨賃貸借契約書の写し
 同居人の記載や、
 続柄欄の「妻(未届け)」などの記載が手掛かりになる

(4)まとめ
 事実婚は、法律婚と違い、事実概念ですので、
 認定は厳格に行われます。
 以下のことをしておくとよいでしょう。
 
①住民票の記載がまず問われるので、住所や世帯を同じにする。
 ②証拠になりそうな書面を管理する。
 ③証明してくれそうな第三者と連絡を取り合う(孤立しない)

今回はここまでにします。
次回は、生計維持要件です。
今回書いたことと重複する部分が多いですが、まとめていきます。

お読みいただきありがとうございました。
 
 


 


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