国民年金042 寡婦年金③支給されないとき 

(1)はじめに 寡婦年金の復習
 ①寡婦年金とは、
  国民年金の第1号被保険者の期間を有する夫が、
  老齢基礎年金などを受ける前に死亡したときに、
  遺族の妻に支給されるものでした。
 ②寡婦年金の受給の主な要件は、
  死亡した夫が、
  ⓐ第1号被保険者期間の保険料納付済期間と免除期間が10年(120月)以上で、
  ⓑ老齢基礎年金または障害基礎年金を受けていなかったこと。
  遺族の妻については、夫の死亡当時、
  ⓒ妻が65歳未満で、
  ⓓ繰上げ受給をしておらず
  ⓔ夫との婚姻期間が10年以上継続していたこと。
  ⓕ夫によって生計を維持されていた(生計維持要件)、すなわち、
   生計が同一で、年収850万円(年間所得655.5万円)未満
 ③寡婦年金の支給期間は、
  ⓐ60歳~65歳になる前まで(60歳~64歳)の間です。
   夫の死亡当時、妻が60歳になる前(59歳以前)だったときは、
   60歳になった翌月~65歳になる月まで支給されます。
  ⓑ夫の死亡当時、妻が60歳~64歳のときは、
   夫が死亡した翌月~65歳になる月まで支給されます。
  ⓒ夫の死亡当時、妻が65歳以降のときは、支給されません。
   妻自身が老齢基礎年金等を受給できるからです。
 寡婦年金の支給額
  寡婦年金は、第1号被保険者期間にのみ独自に適用されるものです。
  支給額は、
  夫の第1号被保険者期間に基づく老齢基礎年金の額 × 3/4
  夫の第1号被保険者期間が40年だったとき
  夫がもらえるはずだった老齢基礎年金は、満額です。
  令和5年度は、老齢基礎年金の満額は795,000円(67歳年度まで)ですので、
  795,000円×3/4=596,250円 となります。

今回は、寡婦年金が支給されないケースについて書いていきます。

(2)寡婦年金が支給されないとき
①前提
 寡婦年金は、夫が老齢基礎年金などを受けずに死亡したときに支給され、
 言ってみれば、保険料の掛け捨てを防止する機能があります。よって、
 遺族の妻が、他に有利な年金の支給を受けられるときは、
 寡婦年金が支給されなくなることがあります。
②選択関係
にあるもの
 ⓐ妻が遺族基礎年金を受けられるとき
  老齢基礎年金と寡婦年金は、趣旨や要件が異なりますので、
  両方を満たすことがあります。
  その際は一方のみを受給できます。選択関係です。
  ただ、遺族基礎年金の方が支給額が多く、
  寡婦年金は、選択されることはない
と思われます。
  ただ、子が成人するなどして、妻に遺族基礎年金が支給されなくなったときは、
  その時点で要件を満たしていれば、寡婦年金を受給できます。

 ⓑ妻が遺族厚生年金 (後述) を受けられるとき
  老齢厚生年金と寡婦年金も、趣旨や要件が異なりますので、
  両方を満たす時期がありえます。
  その際は一方のみを受給できます。選択関係です。
  遺族厚生年金が選択されたら、寡婦年金は支給されなくなります。
 ⓒ妻が死亡一時金 (後述) を受けられるとき
  寡婦年金と死亡一時金は、要件が異なりますので、
  両方を満たす時期がありえます。
  その際は一方のみを受給できます。選択関係です。
  ただ、寡婦年金と違い、
  死亡一時金は遺族厚生年金と同時に両方を受給できる(併給される)ので、
  寡婦年金よりも遺族厚生年金の方が支給額が多いときは、
  死亡一時金+遺族厚生年金の組み合わせを選択されることが多いです。
 ※遺族厚生年金、死亡一時金は、後日書いていきます。

③支給停止事由
 死亡した被保険者等について、労働基準法による遺族補償が行われるときは、
 死亡日から6年間、寡婦年金は支給停止になります。

④失権事由
 ⓐ妻が65歳に達したとき
 ⓑ妻が死亡したとき
 ⓒ妻が婚姻したとき
 ⓓ直系血族や直系姻族以外の養子になったとき。
  祖父母や義父母の養子になっても、失権せずに支給されます。
 ⓔ妻が自身の老齢基礎年金を繰上げ受給しているとき。
 とりわけ注意していただきたいのが、ⓔのケースです。
 繰上げ受給は、65歳に到達したという扱いになります。

 ※繰上げ受給のデメリットについては、最後にリンクを貼っておきます。

今回はここまでにします。
次回は、死亡一時金について書いていきます。

お読みいただきありがとうございました。

※繰上げ受給のデメリット 国民年金019

 

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