国民年金041 寡婦年金②支給期間・支給額

(1)はじめに 寡婦年金の復習
 ①寡婦年金とは、
  国民年金の第1号被保険者の期間を有する夫が、
  (65歳になる前など)老齢基礎年金などを受ける前に死亡したときに、
  遺族の妻に支給されるもの
でした。

 ②寡婦年金の特徴は、
  対象の遺族は妻のみであること。
  ⓑ国民年金第1号被保険者の期間のみが基準の、
   第1号被保険者の遺族への独自の給付であること。
  主に、遺族基礎年金が受けられない妻に支給されうること でした。
 ③寡婦年金の受給の主な要件は、
  ⓐ死亡した夫については、
   第1号被保険者期間の保険料納付済期間と免除期間が10年(120月)以上で、
   老齢基礎年金または障害基礎年金を受けていなかったこと。
  ⓑ遺族の妻については、
   夫の死亡当時、
   妻が65歳未満で、繰上げ受給をしておらず
   夫との婚姻期間が10年以上継続していたこと。
   夫によって生計を維持されていた、すなわち、
   生計が同一で、年収850万円(年間所得655.5万円)未満(生計維持要件)。

 今回は、寡婦年金の支給期間と年金額についてです。

(2)寡婦年金の支給期間
①結論から書くと、60歳~65歳になる前まで(60歳~64歳)の間です。
②夫の死亡当時、妻が60歳になる前(59歳以前)のとき
 寡婦年金は、妻が60歳になるまでは支給が停止され、
 60歳になった(誕生日の前日の)月の翌月から、支給が開始します。
 65歳になる(誕生日の前日)月まで支給されます。
夫の死亡当時、妻が60歳~64歳のとき
 夫が死亡した月の翌月から、支給が開始します。
 65歳になる(誕生日の前日)月まで支給されます。
夫の死亡当時、妻が65歳以降のとき
 寡婦年金は支給されません。
 妻自身が老齢基礎年金等を受給できるからです。

(3)寡婦年金の支給額
寡婦年金は、夫が老齢基礎年金等を受けずに死亡したときに支給され、
 夫の保険料の掛け捨てを防ぐ側面も持っています。
 そして寡婦年金は、第1号被保険者期間にのみ独自に適用されるものです。
 寡婦年金の支給額は、
 夫の第1号被保険者期間に基づく老齢基礎年金の額 × 3/4 です。

②夫の第1号被保険者期間が40年だったとき
 夫がもらえるはずだった老齢基礎年金は、満額です。
 令和5年度は、老齢基礎年金の満額は795,000円(67歳年度まで)ですので、
 795,000円×3/4=596,250円 となります。
③夫に保険料免除期間があるとき
 老齢基礎年金の計算式は、
 満額795,000円
  ×[納付済期間の月数
   +全額免除の月数×1/2(または1/3)
   +3/4免除の月数×5/8(または1/2)
   +半額免除の月数×3/4(または2/3)
   +1/4免除の月数×7/8(または5/6)]

   ÷ 480月 でした。
  左の大きい分数は、平成21年(2003年)4月以降の分、
  右の小さい分数(カッコ内の分数)は、平成21年(2003年)3月以前の分。
 寡婦年金の額は、この計算式で出た額に、3/4をかけたものです。
 仮に、納付済期間が35年(420月)、全額免除期間が最近5年(60月)あったときは、
 795,000円 ×(420月 +60月×1/2) ÷480 ≒ 745,313円。
 745,313円 × 3/4=558,984円。となります。
④夫にサラリーマンや公務員の期間(第2号被保険者期間)があったとき
 寡婦年金は、第1号被保険者期間のみに基づいて算出されます。

 第2号被保険者期間は除かれます。
 仮に、サラリーマンや公務員を30年、自営業を10年(120月)してきたときは、
 795,000円 ×120月 ÷480月 = 198,750円。
 198,750 ×3/4 ≒ 149,063円。となります。

今回はここまでにします。
次回は、寡婦年金の失権・支給停止事由を書き、寡婦年金をまとめます。

お読みいただきありがとうございました。

※寡婦年金の前回の記事 国民年金040
※老齢基礎年金の額の計算式 国民年金010




 



 

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