国民年金039 遺族基礎年金の失権・支給停止事由

(1)はじめに
①失権事由について

 前回の記事で、遺族基礎年金が減額になるときについて書きました。
 これは、対象だった配偶者や子が「遺族」といえなくなったときに、
 その方についての分が減額されるということです。よって、
 減額事由は、その方の遺族基礎年金の失権(消滅)事由でもあります。
 (※前回の記事は、最後にリンクを貼っておきます)
②支給停止事由について
  遺族基礎年金は、遺族の生活の保障のためのものです。
 他の制度によって生活が保障されたり、
 年金を支給しても生活の保障に結びつかない間は、
 支給が停止されます。
  また「子のある配偶者」のときは、配偶者と子も受給権者ですが、
 親である配偶者に支給が優先され、子の支給が停止されます。
③失権と支給停止の違い
 失権は、権利が復活するということはありません。
 支給停止は、支給停止の事由がなくなれば、支給は復活しえます。
 以下、具体的に書いていきます。

(2)遺族基礎年金の失権事由
 配偶者や子が「遺族」でなくなるため、受給権は失権(消滅)します。
 ⓐ配偶者や子が、死亡したとき
 ⓑ配偶者や子が、婚姻をしたとき(事実婚を含む。)
 ⓒ子が、配偶者(子にとって親)以外の養子になったとき(事実上の養子を含む)
 ⓓ子が、死後離縁によって、死亡した方の養子でなくなったとき
 ⓔ子が、配偶者(子にとって親)と生計を同じくしなくなったとき
 ⓕ子が、18歳到達年度の末日(3/31)を過ぎたとき(障害等級1,2級の子はⓖⓗ)
 ⓖ障害等級2級以上の子が、その障害の事情がなくなったとき
 ⓗ障害等級2級以上の子が、20歳になったとき(誕生日の前日)。
 ⓘ配偶者が、すべての子について上記ⓐ~ⓗに該当したときは、
 「子のある配偶者」でなくなり、遺族基礎年金の受給権は消滅します。

 ※なお、生計維持要件のうち、収入要件は、死亡当時で判定されるので、
  その後、収入が増えたとしても、失権や支給停止になることはありません

(3)遺族基礎年金の支給停止事由
①配偶者と子の、共通の支給停止事由
 死亡した被保険者等について、労働基準法による遺族補償が行われるときは、
 死亡日から6年間、遺族基礎年金は支給停止になります。
 (※死亡した被保険者等について、労災法による遺族補償が行われるときは、
  遺族基礎年金は支給停止にならず、
  労災の遺族補償も減額支給(80%)にとどまり、支給停止はありません

  件数としては、労働基準法よりも、労災による遺族補償が多いのが現状です)
②配偶者の支給停止事由
 配偶者が1年以上所在不明のときは、
 子の申請によって、所在不明時にさかのぼって、支給停止になります。
 なお、配偶者は、いつでもこの支給停止の解除の申請ができます。
③子の支給停止事由
 ⓐ配偶者(子にとって親)がいるとき
  遺族基礎年金は、配偶者(子にとって親)に全額が支給されます。
 ⓑ生計を同じくする、父または母がいるとき
  配偶者(子にとって親)が再婚したときなど。
  その父または母に生活保障されるという考えです。
 ⓒ受給権がある子が2人以上いる場合、
  そのうちの子が所在不明のとき
は、その子について、
  他の子の申請によって、所在不明時にさかのぼって、支給停止になります。
  支給停止となった子は、いつでもこの支給停止の解除の申請ができます。

今回はここまでにします。
次回は、寡婦年金です。
遺族基礎年金が支給されないケースに検討するものです。

お読みいただきありがとうございました。

※前回の記事 国民年金038

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