国民年金037 遺族基礎年金を受けられないケース

(1)はじめに
 前回まで、遺族基礎年金の要件について書きました。
①死亡した被保険者等の要件
②遺族の要件
③死亡した方と遺族の関係性の要件(生計維持要件)
 (ⓐ生計同一要件 ⓑ遺族の収入要件 に分かれます)
のすべてを満たす必要があります。

 今回は、これらの要件を反対側からみて、
「遺族基礎年金を受けられないケース」を見ていきたいと思います。

(2)死亡した本人が要件を満たしていないケース
次の①~⑤の全てに当てはまるときは、要件を満たしません。
①死亡時、国民年金(第1号~3号)被保険者でないとき
②死亡時、65歳以上で、老齢基礎年金の受給権を有していないとき
 60歳~64歳なら、遺族基礎年金の可能性があります。
③①②で、被保険者期間のうち、未納期間が1/3以上あるとき
④①②で、直近1年の被保険者期間のうち、未納期間が1月でもあるとき
⑤死亡時、老齢基礎年金の受給権を有しているが、
 受給資格期間が25年(300月)未満のとき。

 受給資格期間とは、
 保険料納付済期間+免除期間 (+合算対象期間) の合計です。
 老齢基礎年金は、受給資格期間は10年(120月)あれば受給できますが、
 遺族基礎年金は、受給資格期間が25年(300月)必要です。
 老齢基礎年金がもらえても、遺族基礎年金がもらえないことがあります。
 サラリーマンや公務員を長くされた方やその被扶養配偶者は心配ないですが、
 国民年金第1号被保険者の期間が長く、未納期間が多かった方は、注意してください。
①~⑤について不明なら、年金事務所に問い合わせるといいでしょう。

(3)遺族の要件を満たしていないケース
①遺族は、
 ⓐ子のある配偶者、または
 ⓑ子 のみです。
 子のない配偶者、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹は受給できません。
 子のない配偶者、父母、孫、祖父母は、遺族厚生年金は受給が可能です。
 兄弟姉妹は、遺族基礎年金も遺族厚生年金も受給できません。
②子については、
 ⓐ死亡しているとき
 ⓑ婚姻しているとき
 ⓒすでに18歳到達年度の末日(3/31)を終えているとき
 ⓓ障害等級1,2級の子は、20歳になっている(誕生日の前日)とき
 ⓔ死亡した方が養親で死亡時に離縁済みのとき
 は、要件を満たしていません。
配偶者については
 ⓐ死亡しているとき、
 ⓑ要件を満たす子がいないとき、
 ⓒ要件を満たす子と、生計が同じでないとき
 は、要件を満たしません。

(4)生計維持要件を満たしていないケース
①生計同一要件を満たしていないケース
 ⓐ住民票上、同一住所で同一世帯なら原則大丈夫です。
 ⓑ単に住民票上、住所や世帯が異なる場合は、
  実態として経済的な援助や音信・訪問があり、
  生計が同一(サイフが同一)であることが証明できれば大丈夫です。
 ⓒ住民票上、別居しており、
  仕送りなどの経済的な援助もなく、
  音信や訪問もないときは、
  生計同一要件が認められなくなることがあります。


  以下、考えられるケースです。
  ずっと仲良く一緒に暮らしていたご夫婦でしたが、夫が病気になり、
  介護負担を考慮して、夫は親元で離れて暮らすことになり、
  夫婦間で経済的な援助の関係がなくなり、
  親元と離れているために音信や訪問がない状態が続いている状況で、
  夫が亡くなったとき、
  妻は遺族基礎年金が受給されない可能性があります。

  お元気なうちに、年金事務所のアドバイスをうけるといいでしょう。

②遺族の収入要件を満たしていないケース
 前年(または前々年)の、
 年収が850万円以上、かつ、年間所得が655万5000円以上のとき。
 ただし、定年や収入減少の事情があり、
 将来(むこう5年)にこれらの額を下回ることを証明すれば、収入要件を満たします。

今回はここまでにします。
繰り返し書きます。
お元気なうちに、年金事務所の相談し、対策を講じましょう。

次回は、老齢基礎年金の額についてです。

お読みいただきありがとうございました。


  
   
 
  
 
 

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