国民年金032 遺族基礎年金の要件①死亡した被保険者の要件

(1)はじめに 
 国民年金からの、死亡した被保険者等の遺族に対しての給付には、
 ①遺族基礎年金
 ②寡婦年金
 ③死亡一時金
、があります。
 ①②③はそれぞれ趣旨や要件が異なり、
 支給額は高い順に、①>②>③ となりますので、
 検討する順番も、①→②→③の順番で検討していきます。

 では、①遺族基礎年金から検討していきます。
 各遺族年金は、
 ⓐ死亡した被保険者等の要件
 ⓑ遺族の要件
 ⓒ被保険者と遺族の関係性の要件
 がそれぞれあります。
 今回は、ⓐ加入者(被保険者)の要件です。

(2)遺族基礎年金の要件~死亡した被保険者等の要件
 遺族基礎年金は、被保険者等が以下の期間に死亡したときに支給されます。
 ①国民年金の加入中に死亡したとき
  国民年金の第1号・2号・3号とも含まれます。
  サラリーマン等も国民年金に加入中です。
 ②国民年金にかつて加入しており(死亡時は非加入)、
  日本国に在住で、60歳~64歳の間に死亡したとき

 ③老齢基礎年金を受給中に死亡したとき
  ただし、受給資格期間が25年(300月)以上あることが必要。
 ④老齢基礎年金の受給資格者である間に死亡したとき
  (60歳以上で、受給資格期間が25年(300月)以上あることが必要)
 ※③と④は、死亡時に受給しているか否かの違いです。

(3)保険料納付要件~①②についての要件~
 (2)の被保険者等の死亡時期について、
 ①国民年金の加入中に死亡したとき
 ②国民年金にかつて加入しており(死亡時は非加入)、
  日本国に在住で、60歳~64歳の間に死亡
したとき には、
 保険料納付要件があります。
 (③④は関係ありません)
 保険料納付要件は、
 Ⓐ死亡日の「前日」において、
 Ⓑ死亡月の「前々月まで」の、保険料を納付すべき期間のうち、
 Ⓒ「2/3以上の」保険料納付済期間と保険料免除期間があること。
  (滞納期間が1/3未満であること) です。
 Ⓐ死亡日の「前日」の時点で判断するのは、
  保険料を滞納していた場合に、死亡した当日に、
  遺族年金を得ようと、保険料をかけこみ納付をしても、
  遺族年金をもらえないこととして、
  年金制度の適切な運用を図るためです。
 Ⓑ死亡月の「前々月まで」とするのは、
  前月分については、当月の末日までが期限であり、未払いでも問題ないため、
  納付要件にはカウントされないということです。
  (カウントされるのは前々月までです)
 なお、未成年者の厚生年金保険の被保険者が死亡したときは、保険料納付要件は問われません。
 20歳未満の期間は、国民年金第2号被保険者の保険料納付済期間に含まれないからです。

(4)保険料納付要件の特例について
 (3)の保険料納付要件を満たしていない場合でも、
 65歳未満で死亡した場合で、
 死亡日の「前日」において、
 死亡月の「前々月まで」の、
 直近の1年間(12月)で、
 保険料の滞納がない(納付済か免除のいずれかだった)場合には、
 令和8年3/31まで
 特例として保険料納付要件を満たすこととしています。

(5)受給資格期間~③④についての要件~
 (2)の被保険者等の死亡時期について、
 ③老齢基礎年金を受給中に死亡したとき
 ④老齢基礎年金の受給資格者である間に死亡したときには、
 受給資格期間が必要になります。
 受給資格期間は、
 原則として、保険料納付済期間+保険料免除期間です。
 老齢年金(老齢基礎年金、老齢厚生年金)では10年(120月)ですが、
 遺族年金(遺族基礎年金、遺族厚生年金)では25年(300月)です。
 従来、老齢年金も25年でしたが、無年金状態を防ぐために平成29年8月から10年になりました。
 遺族年金は、従来から変わらず25年です。
 25年(300月)ない場合は、
 合算対象期間(カラ期間)があれば合算して25年あるか判定します。
 (※合算対象期間については、最後にリンクを貼っておきます)

今回はここまでにします。
次回は、遺族基礎年金の、遺族が満たすべき要件です。

お読みいただきありがとうございました。

※合算対象期間(カラ期間) 国民年金015 国民年金016
 

 

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