国民年金022 老齢基礎年金の本来受給②

(1)「本来受給」とは、65歳(老齢基礎年金受給権発生時) からの年金を受け取るものでした。年金の支給開始の請求(裁定請求) が遅れた場合は、65歳到達時から裁定請求時までの年金額が、一括支給されます。年金の額は、本来の額です。
(これに対して「繰下げ支給の申出」は、申出までの分受け取れませんが、以降の年金額は増額されます)

(2)しかし、老齢基礎年金は、請求できる時から5年が経過すると、その分については時効で請求できなくなります。
 そのため、本来受給は、あまりに遅れて裁定請求、例えば、65歳で受給権が発生する場合、70歳以降に裁定請求をすると、時効で受給できなくなる部分が発生します。

 例として、73歳到達時(8年後)裁定請求をしたとします。
 73歳到達時の5年前68歳到達時ですので、68歳〜72歳までの5年分しか、さかのぼって請求できなくなります。65歳〜67歳に受給できた分は時効にかかり受給できなくなります

(3)しかし、年金は、生活の費用になるものです。死活問題ともいえます。
 そのため、時効消滅してしまう部分5年前よりも前の分)がある場合、その5年前に、繰下げ支給の申出があったとみなし、以降、増額された老齢基礎年金が支給されることになりました(「特例的な繰下げみなし増額制度」。ただし昭和27年4月2日以降に生まれた方のみ)。

 設例の事例だと、68歳到達時繰下げ支給の申出があったとみなされます65歳到達時〜68歳到達時までは3年(36月)ですので、

0.7% × 36月=25.2%が増額され、68歳到達時の分から支給され、裁定請求した73歳到達時に一括支給され、以降、増額された老齢基礎年金が生涯支給されます。

(4)まとめ 本来受給と繰下げ支給の申出との相違点
 ①65歳〜請求/申出時までの年金
  ・本来受給 :もらえる(一括支給)
  ・繰下げ支給:もらえない
 ②増額
  ・本来受給 :原則なし。例外として特例的な繰下げみなし増額制度
  ・繰下げ支給:あり
 ③時効消滅リスク
  ・本来受給 :あり(5年)。特例的な繰下げみなし増額制度
  ・繰下げ支給:なし
 ④請求/申出ができるとき
  ・本来受給 :65歳から(受給権発生時から)
  ・繰下げ支給:66歳から(受給権発生から1年たった時から)

本来受給、繰下げ支給にはそれぞれ、メリット・デメリットがあります。
66歳以降は、2種類の受給のしかたかある」ことを知っておいてください。
少し複雑ですが、大切なところです。

今回はここまでにします。
次回は、国民年金基金です。

お読みいただきありがとうございました。

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