国民年金034 遺族基礎年金の要件③ 遺族との関係性の要件(ⅰ)生計維持要件のうちの生計同一要件

(1)はじめに
 遺族年金(遺族基礎年金、遺族厚生年金等)を受給できるための要件には、
①死亡した被保険者等の要件
②遺族の要件
③死亡した被保険者等遺族関係性の要件(生計維持要件)
があり、すべてを満たす必要があります。

今回は、③死亡した被保険者等と遺族との関係性の要件(生計維持要件)です。

(※①死亡した被保険者等の要件、②遺族の要件については、最後にリンクを貼っておきます)

(2)死亡した被保険者等と遺族との関係性の要件(生計維持要件)
 遺族基礎年金を受けるためには、
・遺族(子のある配偶者 または子)が、
・被保険者(加入者)等が死亡した当時に、この方によって、
・生計を維持されていた 
ことが必要になっています。
この関係を「生計維持要件」といいます。

 生計維持要件は、
①生計が同じであること(「生計同一要件」)と、
②その遺族の収入が一定額以下であること(「収入要件」)の、
両方を満たす必要があります。
遺族基礎年金は、遺族の生活のためのものですので、
①生活のための家計が同じであったことが要求されます(生計同一要件)。
また、遺族に安定的な収入があるなら、遺族年金は必要ないといえるため、
②遺族(配偶者や子)の収入が一定額以下であることも要求されます(収入要件)。

今回は、①生計同一要件について書いていきます。
(※生計維持要件と生計同一要件を、混同しないように注意してください。
  生計維持要件は、①生計同一要件と②収入要件を検討するということです)

(3)生計同一要件
 生計同一要件は「家計が同じ」「サイフが同じ」というイメージです。
まずは、住民票が手がかりになります。
①住所が同じで、世帯も同じのとき
②住所が同じだが、世帯が違うとき
③住所が別(別居)のとき に分けて検討します。

①住民票上、住所が同じで、世帯も同じのとき
 基本的に、生計が同じといえ、生計同一要件は認められます。
 ただし、長年にわたり音信不通のときは、生計同一要件を満たさずに、遺族基礎年金が支給されない可能性があります。

②住民票上、住所が同じだが、世帯が違うとき
 別世帯ですが、二世帯住宅などにして同じ住所にいるケースです。
 基本的に、生計が同じとはいえず、生計同一要件は認められません。
 ただし、医療や福祉、扶養などの理由で世帯を分離していることもあります。
 「別世帯となっていることについての理由書」等を添付の上で申立てすれば、認定されることがあります。
 当然、実態として死亡した方と家計が同じ生計を立ててもらっていたことは必要です。

③住民票上、住所が別のとき
 単身赴任や、施設に入所して、住民票上も住所を変えているケースです。
 基本的に、生計が同じとはいえず、生計同一要件は認められません。
 しかし、
 ⓐ実態としては、同居している(起居を共にしている)こともあります。
  「同居についての申立て」をする必要があります。
  ・「別世帯となっていることについての理由」を記載し
  ・「生計同一関係を証明する書類」を添付します。
 ⓑやむを得ない事情で別居していることもあります。
  基本的に、生計が同じとはいえず、生計同一要件は認められませんが、
  (ⅰ)単身赴任、就学、病気療養等のやむを得ない事情があり、
  (ⅱ)経済的な援助があり、定期的な音信や訪問があり、
  (ⅲ)(ⅰ)のやむを得ない事情が消滅したときは、起居を共にし家計を同じくする
  ときは、生計同一要件が認められます。
  この場合、
  「生計同一関係に関する申立書」を提出する必要があります。
   (別居の理由仕送りなどの経済的援助音信訪問の状況を記載します)
  「生計同一関係を証明する書類」を添付します。
 ⓒ「生計同一関係を証明する書類」
  ⓐやⓑのケースで添付する「生計同一関係を証明する書類」は、
  ・健康保険被保険者証の写し
  ・給与簿や賃金台帳などの写し
  ・源泉徴収票や課税台帳などの写し
  ・預金通帳や振込明細、現金書留封筒などの写し
  ・単身赴任の辞令や赴任手当の証明書などの写し
  ・学生証や在学証明書などの写し
  ・入院や入所の証明・領収書などの写し など。
  ※証明書がないときは、第三者による証明書が必要。

今回はここまでにします。
次回は遺族の収入要件です。

お読みいただきありがとうございました。

※死亡した被保険者等の要件 国民年金032
※遺族の要件        国民年金033  
 
 

 
 

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