厚生年金058 老齢厚生年金にかかる税金① 

(1)はじめに
 国民年金のところでも、老齢基礎年金のみを受給する(老齢厚生年金を受給しない)ケースについて書いてきました。
(※最後にリンクを貼っておきます)
 今回は、老齢基礎年金に加えて、老齢厚生年金を受給するケースについて書いていきます。

(2)老齢厚生年金にかかる税金のアウトライン
 老齢基礎年金や老齢厚生年金などの、老齢や退職によって支給される年金は、
雑所得」として所得税がかかります
※障害年金や遺族年金には、所得税はかかりません。
※老齢厚生年金には、公務員等の退職共済年金を含みます。
 そして、老齢年金が一定額以上ある方は、年金の支給の際に、実施機関が所得税を天引きし、残額を支給します(源泉徴収)。

(3)所得税についての基本的事項
 所得税を算出するためには、大きく分けて3つのステップがあります。
 ①収入 - 必要経費 = 所得
 ②所得 - 各種の所得控除 = 課税所得
 ③課税所得 × 税率 = 所得税

 
 ①収入 - 必要経費 = 所得
  「収入」とは、支給総額のことです。
  「必要経費」とは、収入を得るためにかかった費用のことです。
  支給総額(収入)から、かかった費用(必要経費)を引いたのが「所得」です。
  収入と所得は、混同されがちですが、このように異なるものです。
  事業を行う経営者にとって、必要経費はイメージしやすいですが、
  年金や給与については、必要経費はピンとこないかもしれません。
  そこで、
  給与収入については「給与所得控除」が、
  年金収入については「公的年金等控除」が必要経費に相当し、
  給与収入や年金収入から差引いて、給与所得や年金所得を算出します。

 ②所得 - 各種の所得控除 = 課税所得
  ①で求めた所得から、各種の所得控除を差引き「課税所得」を算出します。
  各種の所得控除とは、
  ・社会保険料控除
  ・基礎控除
  ・配偶者控除
  ・扶養控除
  ・障害者控除
  ・寡婦控除 
  ・ひとり親控除 などです。
 ③課税所得 × 税率 = 所得税
  ②で算出した課税所得に、税率をかけて「所得税」を算出します。
  老齢年金は、この所得税源泉徴収によって天引きされます。
  税率は、5.105 %です。
(所得税 5%に、復興特別所得税 0.105%が 令和19年まで加算されています)

(4)老齢厚生年金の源泉徴収
①老齢厚生年金の受給者で、源泉徴収に際して、
 (3)②の各種の所得控除を受けるためには
 「公的年金等の受給者の扶養親族等申告書」
 を提出しなければなりません(以降「扶養親族等申告書」)。
 1年目は「年金請求書」の中に「扶養親族等申告書」欄があるので、
 そこを記入した「年金請求書」を提出すればOKです。
 2年目以降は、毎年11月頃、日本年金機構から、
 「扶養親族等申告書」が送付されるので、記入して返送します。
年金収入額が108万円(65歳以降は158万円)未満の方は、
 所得税がかからないので、提出する必要がありません。
 よって、老齢基礎年金のみの方は、提出する必要がありません。

③「扶養親族等申告書」を提出しなかった場合は、
 控除される所得控除は、
 (3)②のうち、社会保険料控除基礎控除 のみとなり、
 他のものは控除されません。
 よって、配偶者や扶養親族等がいないときや寡婦等でない方は、提出不要です。

今回はここまでにします。
次回は、必要経費に相当する「公的年金等控除」、および各種の「所得控除」について書いていきます。

お読みいただきありがとうございました。

※老齢基礎年金にかかる税金 国民年金029
  
  

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