厚生年金038 60歳台前半の老齢厚生年金の、雇用保険との調整②基本手当(いわゆる失業手当)Ⅰ

 60歳台前半の老齢厚生年金の受給権者は、就労中で雇用保険の被保険者であることが多いことから、雇用保険の給付を受ける場合、二重受給を防ぐために、年金の支給調整が行われることがあります。

 今回から2回にわたり、雇用保険の基本手当(いわゆる失業手当)を受ける際に、60歳台前半の老齢厚生年金の支給が調整されることについて書いていきます。
(以降「基本手当」と表記します)
 結論から書くと、基本手当と60歳台前半の老齢厚生年金を同時に受給できる場合は、基本手当が優先支給され、60歳台前半の老齢厚生年金は支給停止になります。

 今回は、基本手当はどのように支給されるのかを見ていきましょう。

(1)基本手当の支給要件
雇用保険の被保険者であること。
離職したこと。
労働の意思および能力はあるが、職業に就くことができないこと
離職日以前「2年間」に、雇用保険の被保険者期間が通算「12月」以上あること
 ただし ⓐ特定受給資格者 および ⓑ特定理由離職者「1年間」に「6月」以上
 (ⅰ)特定受給資格者
  事業主側の都合により離職せざるを得なかった方
  (解雇・倒産、労働条件の相違、法令違反など)
 (ⅱ)特定理由離職者 ※令和7年3/31まで
  ⓐ有期契約労働者の雇止めによる離職(更新希望者のみ)
  ⓑ正当理由ある自己都合による離職

(2)基本手当の支給日数(所定給付日数)
一般の被保険者
 (今までに基本手当などの支給を受けてない)雇用保険の被保険者期間
 ・1年未満      支給なし
 ・1年以上~10年未満 90日分
 ・10年以上~20年未満 120日分
 ・20年以上      150日分

②就職困難者(障害者など)
 (今までに基本手当などの支給を受けてない)雇用保険の被保険者期間が
 ・1年未満  150日分
 ・1年以上
   44歳以下 300日分
   45歳以上 360日分
ⓐ特定受給資格者 および ⓑ特定理由離職者(ⅰ)(有期雇用の雇止め)
最後に表を載せておきます。
  ※ⓑ特定理由離職者(ⅱ)(自己都合離職)は、上記①②

(3)基本手当1日あたりの額(基本手当日額)
 基本手当日額=賃金日額× 給付率(80~45%)
 ※賃金日額=離職前6か月間の賃金の総額 ÷ 180日
  (厚生年金と違い、賞与は含まれません)
  下限額あり。
  年齢別に上限額あり。
 ※給付率は年齢と賃金日額により異なる。
 ※最後に表を貼っておきます。

(4)基本手当の受給の流れ
①離職後、住所地のハローワークに出頭して「求職の申込み」をする。
 会社からもらった離職票を提出。
 ハローワークは、基本手当の受給資格があると認めたときは、
 出頭日の28日後を「失業認定日」と定めて、
 雇用保険受給資格者証を交付
する。
②「失業認定日」に受給資格者はハローワークに出頭して、
 受給資格者証と失業認定申告書を提出し、「失業の認定」を受ける
 前日までの失業の認定を受けた日分の、基本手当が支給される。
 以降、原則4週間に1回出頭、失業の認定を受け、基本手当を受ける。
③ただし、
 (ⅰ)①の出頭日から通算7日間は、待機期間として失業認定されず
  その7日分の基本手当の支給はない。
 (ⅱ)先述の特定受給資格者や特定理由離職者ⓐⓑ でない方は
  (重責解雇、正当理由ない自己都合)
  待機期間満了後1~3か月の給付制限期間があり、
  その間は失業の認定されず、基本手当の支給はない。
基本手当を受給できる期間は、原則、離職日の翌日から1年間。
 これ以降、基本手当の受給はできません。
 (ただし各種の延長措置があります。今回は省略します)

今回はここまでにします。

次回に続きます。どのように60歳台前半の老齢厚生年金が調整されるかについて書いていきます。

お読みいただきありがとうございました。


  
 
 
 

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