厚生年金037 60歳台前半の老齢厚生年金の、雇用保険との調整①あらまし

(1)なぜ60歳台前半の老齢厚生年金は調整されるのか。
 60歳台前半の老齢厚生年金は、60歳~64歳の方が対象であるため、受給しながら就労する方が多いのが実情です。
 そのため、労働者災害補償保険(労災保険)や雇用保険などの労働保険の被保険者になっていることが多く、労働保険の保険金の給付を受けることがあります。
 このような労働保険の保険金と厚生年金の二重受給を防止する目的から、一定の場合に、給付の調整が行われます。
 例えば、
①60歳台前半の老齢厚生年金の受給者が、雇用保険の各種給付を受給するとき
(失業したときや賃金が下がったときなど)
②同一の事故によって、労災保険と障害厚生年金の受給権を取得したときなど。

 今回からしばらく、①60歳台前半の老齢厚生年金の、雇用保険との調整について書いていきます。
(※(65歳からの本来の)老齢厚生年金は、雇用保険との調整はありません
(※②については、障害厚生年金のところで後日書きます)

 結論は、雇用保険が優先され、60歳台前半の老齢厚生年金が支給停止になります。
 詳細は次回に書きます。
 まずは雇用保険のあらましを書いていきます。

(2)雇用保険のあらまし
①雇用保険は、A.失業等給付と、B.雇用保険二事業 に大別されます。
 A.失業等給付は、主に労働者への給付。
 B.雇用保険二事業は、主に事業者への助成金や給付金です。
A.失業等給付は、以下の4つに分類されます。
 ⓐ求職者給付  失業時の生活費用の給付
 ⓑ就職促進給付 失業時の早期の再就職を促す
 ⓒ教育訓練給付 教育訓練給付金などの給付
 ⓓ雇用継続給付 雇用の継続が困難なときの給付
         (賃金低下時や、育児・介護休業時)
 B.雇用保険二事業は、雇用安定事業と能力開発事業があります。
60歳台前半の老齢厚生年金が調整されるのは、
 (ⅰ)ⓐ求職者給付の1つの基本手当(いわゆる失業手当)が支給されるとき
 (ⅱ)ⓓ雇用継続給付の1つの高年齢雇用継続給付が支給されるとき
    高年齢雇用継続給付は、
   ・高年齢雇用継続基本給付金
   ・高年齢再就職給付金 があります。
 (※最後に雇用保険の体系図を貼っておきます(今回関係ない分の内容は省略))。

今回はここまでにします。

次回と次々回は、60歳台前半の老齢厚生年金の、基本手当(いわゆる失業手当)による調整について書いていきます。

お読みいただきありがとうございました。


 

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