厚生年金036 老齢厚生年金の額の改定

 厚生年金の年金額は、被保険者期間中の報酬額や賞与額をもとに算出されるものでした。
 それゆえ、在職中の老齢厚生年金の受給権者は、被保険者として報酬や賞与から保険料を納付するため、年金の額も変わっていくことになります。
 しかし、毎月改定されるわけではありません。
 今回は、老齢厚生年金の年金額が改定されるタイミングについて、書いていきます。

(1)退職時改定
 厚生年金保険の被保険者の資格を喪失するときの改定です。
 厚生年金保険の被保険者期間は、退職によってカウントが止まります。
 よって、老齢厚生年金の受給権者についての年金額の改定は、退職で被保険者の資格を喪失するタイミングで行われます。
 すなわち、退職して (転職等により再度被保険者にならずに) 1か月たった日属する月から、年金額が改定されます。
 例えば、12/31に退職したときは、1か月たった日 (1/31) の属する月(1月) から、年金額が改定されます。
 注意すべき点は、起算日は退職日ということです。
(被保険者の資格喪失日 (退職の翌日(1/1)) から1か月たった日 (2/1) の属する月 (2月) ではありません)
 この退職時改定は、
65歳以降の退職によって被保険者の資格を喪失したとき。
70歳に到達して(誕生日の前日)、被保険者の資格を喪失したときのものです。
 (誕生日 (12/31 )の前日 (12/30) から1か月たった日 (1/30) の属する月 (1月) から改定)

 なお、退職するため、在職老齢年金による支給停止解除されます。
(※在職老齢年金による支給停止は最後にリンクを貼っておきます)

(2)在職定時改定
 65歳~70歳前の老齢厚生年金の受給権者で、在職中で被保険者でもある場合
 毎年9月1日を基準日として、8月までの被保険者期間をもとに、年金額が再計算されます。
 (1)と違い、いったん退職して被保険者資格を喪失しても、1か月内に退職して再び被保険者資格を取得したときは、この在職定時改定の対象です。

(3)繰上げ受給者特有の年金額の改定
特例支給開始年齢時 改定
 昭和28年4/2~36年4/1までに生まれた方 (および昭和33年4/2~41年4/1までに生まれた第1号厚生年金保険の被保険者の女子) は、61歳~64歳の間で、報酬比例部分を受給することができます。この報酬比例部分の支給開始年齢を、特例支給開始年齢といいます。
(※最後に載せた図の、みどり色の部分です)
 例えば、昭和38年4/2生まれの第1号厚生年金保険の被保険者の女子の特例支給開始年齢は、63歳です。
 この方が60歳到達時に繰上げ支給の請求をしたときは、
繰下げ支給の申出をした60歳到達時の翌月から支給が開始し、
・63歳到達時に、特例支給開始年齢時改定が行われることになります。

65歳時改定
 65歳になると、(本来の)老齢厚生年金の支給が開始するので、このタイミングでも年金額の改定が行われます。

今回はここまでにします。

次回から「60歳台前半の老齢厚生年金は、雇用保険による調整を受ける」ことについて書いていきます。

お読みいただきありがとうございました。

※在職老齢年金による支給停止 厚生年金035


 

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