厚生年金033 老齢厚生年金の繰下げ支給③

(1)復習 繰上げ支給本来受給比較
繰下げ支給
 ⓐ66歳到達時から(受給権取得から1年経過後から)申出できる。
 ⓑ繰下げ支給の申出までの年金は、支給なし
 ⓒ繰下げ支給の申出以降、増額された年金額が支給。
  増額率は、(受給権取得月~申出の前月までの月数)×0.7%
 ⓓ時効消滅は原則としてない

本来受給
 ⓐ65歳到達時から裁定請求できる。
 ⓑ受給権取得~裁定請求までの年金は、一括支給される。
 ⓒ原則として、増額はない
 ⓓ各月の年金請求権は5年で時効消滅
 ⓔ5年前以前の時効消滅した月数は、繰下げ支給の申出ありとみなされ
  その分は増額される(特例的な繰下げみなし増額制度)。
  ただし、昭和27年4/2以降生まれが対象。
  そして、受給権発生から15年たつと(80歳以降)適用なし

これらをふまえて、前回に続き、以下、さらに掘り下げていきます。

(2)75歳以降まで、受給の手続きをしなかった場合
 65歳到達時に老齢厚生年金の受給権を取得して、そのまま78歳に到達したとしましょう。
78歳到達時に、繰り下げ支給の申出をすると、
 厚生年金030で書いたとおり (※最後にリンクを貼っておきます)
【繰下げ支給の申出をせずに、
 75歳に到達した後(老齢厚生年金の受給権取得から10年たったとき
 :75歳到達時(受給権取得から10年たった日)に申出したとみなす

 設例では、65歳到達時から10年たった、75歳到達時に繰下げ支給の申出をしたとみなされます。
 65歳到達時~75歳到達時の10年(120月)分、すなわち、
 0.7%×120月=84% 増額された老齢厚生年金が75歳到達時から発生して、
 78歳到達時(申出時)に、75歳~77歳の3年分が一括支給されます。
 以降、84%が増額された老齢厚生年金が、生涯支給されます。

78歳到達時に、繰り下げ支給の申出をせずに、本来受給を請求したら、
 年金の受給権は、5年で時効消滅するので、
 73歳到達時からの受給権しかなく、
 65歳到達時~72歳の8年分は、時効消滅しています。
 73歳到達~78歳到達時の5年分が、一括支給されます。
 そして、先ほど(1)②ⓔ書いたとおり、
5年前以前の時効消滅した月数は、繰下げ支給の申出ありとみなされ
 その分は増額される(昭和27年4/2以降生まれが対象)】

 設例では、65歳到達時に受給権取得、78歳到達時に請求したので、
 5年前の73歳到達時に、繰下げ支給の申出をしたとみなされます
 65歳到達時~73歳到達時の8年(96月)分、すなわち、
 0.7%×96月=67.2% 増額された老齢厚生年金が73歳到達時から発生して、
 78歳到達時(申出時)に、73歳~77歳の年5分が一括支給されます。
 以降、67.2%が増額された老齢厚生年金が、生涯支給されます。


制度が入り組んでいますので、今回は短め。ここまでにします。

次回は、80歳以降まで受給の手続きを何もしなかったケースを書いて、
老齢厚生年金の繰下げ支給のまとめをします。

お読みいただきありがとうございました。

厚生年金030
  

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