厚生年金019 60歳台前半の老齢厚生年金④定額部分

(1)復習
 60歳台前半の老齢厚生年金は、原則として昭和36年4/1までに生まれた方、例外として昭和41年4/1までに生まれた一定の方が対象。
 年金額は、定額部分報酬比例部分 (+加給年金額) 。
 加給年金額は、定額部分と報酬比例部分の両方が支給されるときに支給。
 65歳になると、定額部分が老齢基礎年金と経過的加算に、報酬比例部分が老齢厚生年金に移行する。
 配偶者が65歳になると、加給年金額振替加算に移行し、老齢基礎年金に加算される。
 定額部分と報酬比例部分は、生年月日によって、それぞれ支給開始年齢が異なる

 今回は、定額部分について書いていきます。

(2)定額部分の年金額
 厚生年金保険の月数によって決まります。
①定額単価 × ②乗率 × ③厚生年金保険の被保険者期間の月数 です。

定額単価
 令和5年度は、
 ・65~67歳年度の方(新規裁定者) 1,657円
 ・68歳以降の年度の方(既裁定者) 1,652円

 昭和31年4/2以降の生まれが新規裁定者、
 昭和31年4/1以前の生まれが既裁定者。

 定額単価が2種類あることを知っておいてください。
 以下、細かい式は読み飛ばしても大丈夫です。
 定額単価は、1,628円×改定率で算出され、毎年度変わります。
 改定率は、
 新規裁定者:前年度の改定率×名目手取り賃金変動率×マクロ経済スライド
 既裁定者:前年度の改定率×物価変動率×マクロ経済スライド
 新規裁定者と既裁定者の違いは、68歳を境に、就労中心の生活から、消費中心の生活になるという観点からの違いです。
 令和5年度は、
 新規裁定者:
 ・改定率:0.996 × 1.028 × (0.997×0.997) ≒1.018
 ・定額単価:1,628円 × 1.018 ≒1,657円
 既裁定者:
 ・改定率:0.996 ×1.025 × (0.997×0.997) ≒1.015
 ・定額単価:1,628円 ×1.015 ≒1,652円

(2)乗率
 厚生年金保険の制度の変遷により、現行制度 (昭和61年4月~)の加入期間が、生年月日が古い(高齢の)方ほど短くなってしまうことに配慮されたものです。
 生年月日が古い(高齢の)方には高い乗率がつきます。
 昭和21年4/2以降に生まれた方は、無視していい数字 (×1)です。
※最後に、乗率の表を載せておきます。

(3)厚生年金保険の被保険者期間の月数
 厚生年金保険の被保険者期間なら、20歳未満の期間60歳以上の期間含みます
 国民年金の第1号・第3号被保険者の期間は含まれません。
 65歳以降に老齢基礎年金に移行する関係上、老齢基礎年金の被保険者期間(原則40年)に合わせ、上限月数が決まっています。
昭和21年4/2以降に生まれた方は、480月(40年×12月)です。
昭和21年4/1以前に生まれた方は、現行制度の加入期間が短い関係上、(2)乗率とのバランスをとり、上限月数は短くなっています。
※最後に、上限月数の表を載せておきます。

(4)設例
 昭和35年生まれ。18歳~63歳までサラリーマンとして厚生年金保険に加入。
 被保険者期間は45年(528月)。
 長期加入者の特例で定額部分あり。
 令和5年度の定額部分は、
 1,657円×1×480月(上限)=795,360円(年額)。
 これに、報酬比例部分と加給年金額を加えて、60歳台前半の老齢厚生年金の額が決まります。

今回はここまでにします。
定額部分は、年齢的には該当する方は少なくなりますが、障害者と長期加入者の特例があります。

次回は、厚生年金保険の被保険者期間の特例について書く必要が出てきたので書きます。

お読みいただきありがとうございました。


 

 

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